【オンライン】講演「枯木が山のにぎわい ~森の生態系を支える枯木と菌類~」

森林の生態系は、世界全体で8610億tもの炭素を貯留し、毎年24億tの炭素を吸収していると見積もられています。
森林が貯める炭素のうち、42%は生きた樹木に、44%は土壌にあります。
枯木(かれき)が貯留するのは約8%ですが、土壌中に蓄えられている膨大な量の炭素の少なくとも半分は、分解された枯木の残渣に由来します。つまり、枯木の分解は森林が蓄える炭素量に大きく影響します。
枯木を分解する主要な生物である菌類は、種類によって枯木の成分の分解比率が異なり、これによって枯木の質に多様性が生まれます。
枯木の質は、炭素貯留量と、枯木に生息する生物の多様性にも影響します。
枯木は分解に数十年から数百年という時間がかかるので、バクテリアから樹木まで多様な生物の生息場所となり、森林の生物多様性に重要な役割を果たしています。
例えば、枯木を食べて成長するクワガタムシの幼虫は、菌類による分解に応じて生息できる枯木が決まっていますし、倒木上で次世代の樹木が生育する「倒木更新」のプロセスでも、菌類による分解に応じて適した倒木が決まります。
巨大な枯木の存在は森林の自然度の指標にもなります。
今回の講演では、森林や木材に関心があっても、普段あまり注目することのない枯木と菌類が森林生態系に果たす役割について、東北大学の教員で『枯木ワンダーランド』の著者である 深澤 遊さん からご紹介いただきます。
[日時] 3月28日(金)18:00~19:30
[場所] オンライン(Zoom)
※ 参加URLは、申込みいただいた方に後日ご案内します。
[定員] 90名(要事前申込み)
[参加費] 1,500円
[講師] 深澤 遊さん(東北大学大学院農学研究科 准教授)
1979年、山梨県生まれ。信州大学農学部卒業、京都大学大学院農学研究科修了。博士(農学)。
日本学術振興会特別研究員(京都大学)、森林組合職員(和歌山県)、財団法人トトロのふるさと財団職員(埼玉県)を経て、現職。東北の森に住みつつ、枯木を訪ねて世界中の森をめぐる。
著書に『枯木ワンダーランド』(築地書館)、『キノコとカビの生態学』(共立出版)など。
登山、サイクリング、生き物のスケッチ、ジェンベ演奏などが好き。
[申込み方法] 申込みフォーム(https://fw250328.peatix.com)よりお申し込みください。
[問い合わせ先]
▸ FoE Japan(担当:佐々木) E-mail:info@foejapan.org
▸ 地球・人間環境フォーラム(担当:坂本) E-mail:info@fairwood.jp
[主催] 国際環境 NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム、佐藤岳利事務所
💡詳しくはこちらをご覧ください↓
https://fairwood.jp/event/250328/