【お知らせ】三笠市立博物館所蔵の異常巻アンモナイトが新種として発表されました!
長らくアニソセラス科に属する分類不明のアンモナイトとして、三笠市立博物館に収蔵・展示されていた大型異常巻アンモナイトが、この度、国立科学博物館 の 重田 康成 博士 を中心とする研究グループによって新種であると発表されました。
そして、「Mosirites serpentiformis(モシリテス・サーペンティフォーミス)」と命名されました。
現在、博物館では、新種としての発表を記念してスポット展示を行っています!
ヘビのような特徴的なフォルムをぜひ間近でご覧ください!!
[モシリテス・サーペンティフォーミスの特徴]
今回の新種発表では、むかわ町穂別などで発見された別の1種(Mosirites mirabilis モシリテス・ミラビリス)と合わせて、「Mosirites(モシリテス)」という属が新設されました。
新属のモシリテスは、大型で緩く巻いた立体螺旋に続き、緩く巻いた平面螺旋状の殻をもつことが特徴です。 また、殻表面には細かい肋(殻の成長方向にほぼ直行する線状の凹凸)と4列のトゲ状のイボが発達します。
このモシリテスの中の1種であるMosirites serpentiformis(モシリテス・サーペンティフォーミス)は、成長初期の立体螺旋巻きの部分と、成長後期の平面螺旋の巻き軸が同一であることが特徴です。
また、同時に新種として発表されたモシリテス・ミラビリスよりも肋が細かいことも特徴的です。
発見された化石の年代から、モシリテス・サーペンティフォーミスはモシリテス・ミラビリスよりも古い時代のもので、モシリテス・ミラビリスの祖先であると推定されています。
[発見と収蔵経緯]
モシリテス・サーペンティフォーミスは、白亜紀のアルビアン期後期の大夕張から産出しました。
また、先行研究で知られていたサハリン産標本も鑑定の結果この種であるとわかりました。
種の基準となるホロタイプ標本は大夕張産で、1996年に 松田昇市 氏 が発見し、三笠市立博物館へ寄贈されました。以降この標本は、化石の展示室で常設展示されています。(現在はスポット展示中)
[名前の由来]
モシリテス(Mosirites)という名称は、アイヌ語で(静かな)大地の、もしくは北海道を意味するモシリ(mosir)と、ギリシャ語で石を意味するイテス(-ites)に由来しています。
また、サーペンティフォーミス(serpentiformis)は、ラテン語でヘビを意味するサーペンス(serpens)と、ラテン語で形を意味するフォルマ(forma)に由来しています。
[問い合わせ先] 三笠市立博物館
TEL:01267-6-7545
FAX:01267-6-8455
E-mail:hakubutsukan@city.mikasa.hokkaido.jp
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