【環境省からのお知らせ】令和6年度「シマフクロウ標識調査」について

環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物種の保全に関する法律に基づき国内希少野生動植物種に指定されている「シマフクロウ」の保護増殖事業の一環として、毎年春に生まれたヒナへの標識調査を行っています。

5月17日(金)に釧路総合振興局管内の生息地において第1回となる標識調査を実施し、ヒナ4羽への標識装着を行いました。
調査の様子は提供可能な形で写真及び動画で記録しています。

今年度の調査は6月下旬までの予定です。


調査目的
シマフクロウは北海道の道東を中心に生息している絶滅危惧種であり、これまでに100つがいの生息が確認されているところですが、国による「シマフクロウ保護増殖事業計画(平成5年11月26日策定)」に基づき、巣箱設置、給餌、傷病対応、事故防止対策、生息環境整備を始めとする保護増殖事業を進めています。
環境省では、シマフクロウの保護増殖事業の一環として、春に生まれたヒナに足環標識を装着し、個体識別、性別・来歴等の個体情報の収集、繁殖履歴の把握等を行っています。
この調査により、保護増殖事業の進め方を決定する上で重要な知見となる、繁殖状況、移動分散、寿命など、シマフクロウの生態についての貴重な情報を得ることができます。

調査内容
巣立ち前後のヒナを捕獲し、体重・体長等の計測、羽の伸長、採血、外見異常の有無等の獣医学的な診断を行い、個体の健康状態や性別、成長状況を把握します。診断後、個体識別のための標識(足環)を装着して、捕獲地点に戻します。
血液サンプルは、健康状態の把握に加え、DNA解析を行うことで性別判定、血縁関係や遺伝的多様性の評価に用います。

調査期間
令和6年5月17日(金)~6月下旬(予定)

その他
本標識調査の結果については、7月上旬頃に報道発表する予定です。

留意事項
シマフクロウは非常に警戒心の強い鳥です。特に繁殖中の巣に近づいたりすると、巣やヒナを放棄してしまうおそれがあります。
生息数は僅かに増加傾向にありますが、依然、絶滅の恐れを脱していないことから、巣の位置等の詳細は公表していません。
もしも巣箱や営巣を確認した場合でも不用意に近づかないなど、ご理解・ご協力をお願いします。

■ これまでの調査について
標識調査は1985年に始まり、今年で40年目となります。これまで39年間で合計746羽に足環標識を装着しました。
令和5年度の調査では、合計47羽のヒナに標識を装着しました。
過去最多であった令和4年度の41羽からさらに増え、2年連続で記録更新となりました。

■ 問い合わせ先
環境省 釧路自然環境事務所(担当:北橋、大嶋) TEL:0154-32-7500

🌟詳しくはこちらをご覧ください↓
https://hokkaido.env.go.jp/kushiro/press_00130.html

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