【北海道地方環境事務所からのお知らせ】北海道における特定外来生物チャネルキャットフィッシュ(通称:アメリカナマズ)の初確認について

令和6年6月23日(日)に江別市中島の河川で市民が釣り上げたナマズについて、専門家による同定の結果、北海道では初確認となる、外来生物法に基づき特定外来生物に指定されている チャネルキャットフィッシュ(通称:アメリカナマズ)(Ictalurus punctatus)であることが確認されましたので、お知らせします。

本種は大型の上位捕食者で様々な動物を捕食するため、生態系への被害やワカサギ、モクズガニ等の水産有用種への被害が懸念されます。
侵入初期の発見と迅速な防除が外来生物の定着を防止するために重要であることから、関係機関と連携して侵入状況の把握や対策の検討を進めます。
外来生物法に基づき本種の生きたままの運搬、飼養、放流等は禁止されています。本種と思われるナマズを釣り上げた場合は、その場で殺処分した上で、放置せずに持ち帰ってください。また、下記まで情報提供をお願いします。

💡情報提供先(確認地点、日時、写真(10MBまで可能)等の情報をお知らせください)
  E-mail:HOKKAIDO-YASEI@env.go.jp

経緯

6/23(日) 市民が北海道江別市中島の河川にて、ナマズ1個体を釣り上げる。
6/24(月) アメリカナマズの可能性があるとのことでこの釣り人から環境省に通報。
7/1(月) 環境省から依頼を受けた専門家による同定の結果、特定外来生物チャネル キャットフィッシュの成魚であることが判明。
      北海道で初の確認事例。

チャネルキャットフィッシュについて

  • 特徴:成魚の全長は60~100㎝、背面は黒灰色、腹面は灰白色。背びれ・胸びれに鋭い棘がある。水温0~32℃で生息可能。
  • 食性:動物食(魚類、甲殻類、貝類。幼魚は水生昆虫が主)
  • 繁殖:繁殖期は5月から7月。産卵数は約2万~5万粒。
  • 自然分布:カナダ南部、アメリカ東部、メキシコ北東部の河川、湖沼に生息
  • 特定外来生物指定日:平成17年6月1日
  • 特定外来生物への指定理由:大型になる上位捕食者であり、メキシコでは本種の導入・定着後に在来魚類の減少を含む在来生物相の変化が報告されている。北アメリカ原産であるため冬の低水温にも耐えることが可能で、近年、霞ヶ浦では急速に生息数が増加しており、在来の生態系に被害を及ぼすおそれがある。
  • 日本への侵入状況:阿武隈川水系、利根川水系、琵琶湖・淀川水系
  • 被害例:茨城県霞ヶ浦ではワカサギやテナガエビなどが捕食されている。ひれに鋭い棘があるため、漁網にかかると漁業者がけがをしたり外すのに大きな労力がかかる。

特定外来生物とは

外来生物法に基づき、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。
指定された生物の取扱いについては、飼養等(飼養、栽培、保管又は運搬)、輸入、譲渡し、放出等の禁止といった厳しい規制がかかります。

対応状況

▸ 関係機関との連携:北海道、江別市等と情報共有及び対策の検討を進めている。
▸ 侵入状況の確認:市民へ情報提供を依頼するとともに、確認地点を中心に侵入状況の把握調査を実施する。
▸ 外来種被害予防3原則の徹底:今回のチャネルキャットフィッシュの侵入経緯は不明だが、環境省では、侵略的外来種による被害を予防するための外来種被害予防3原則の徹底を求めていく。

外来種被害予防3原則
1.入れない
 悪影響を及ぼすおそれのある外来種を自然分布域から非分布域へ「入れない」
2.捨てない(逃がさない・放さない・逸出させないことを含む)
 飼養・栽培している外来種を適切に管理し「捨てない」
3.拡げない(増やさないことを含む)
 既に野外にいる外来種を他地域に「拡げない」

問い合わせ先

環境省北海道地方環境事務所 野生生物課 TEL(直通):011-299-1954

💡詳しくはこちらをご覧ください↓
https://hokkaido.env.go.jp/press_00089.html

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