「札幌市温暖化対策推進計画(案)」パブリックコメントWS 開催報告

平成27年1月13日(火)に、環境中間支援会議・北海道が主催したパブリックコメント・ワークショップには、17人の方がご参加いただきました。誠にありがとうございました。こちらは「札幌 市温暖化対策推進計画(案)」に対する模造紙への書き込みや、コメントのあった意見の一覧です。ページ番号は「札幌市温暖化対策推進計画(案)概要版」に 対応しています。また「○」は「その意見が最も重要だと考えた参加者がいた」ことを示すものになっています。主に書き込みから起こしたものであるため、一 部、解釈が難しい内容や作業上の不備もあると思いますが、皆さんがパブリックコメントに取り組む参考になれば幸いです。

「札幌市温暖化対策推進計画(案)」パブリックコメントWS 開催概要はこちら
 http://epohok.jp/news/index.php?page=article&storyid=317

「札幌市温暖化対策推進計画(案)に対する意見募集結果」についてはこちら
 ※環境中間支援会議・北海道のワークショップが取り上げられました
 http://www.city.sapporo.jp/kankyo/ondanka/newplan/pubcomment/


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第2章 旧計画(札幌市温暖化対策推進ビジョン)の概要と総括
「温室効果ガス削減のための10のアクション」
・定山渓温泉の捨てるお湯で温室をつくって野菜をとれないのか
・太陽光発電はつけたので、家庭用の小型風力発電機がほしい
・モデル校をつくって、学校にも太陽光パネルなど再生可能エネルギーを導入してはどうか
・近郊都市との境界地に安い駐車場があれば、都心に車を乗り入れなくてすむ

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・「2.環境教育の充実」は重要だと思う。子どもにも大人にも知ってもらうことが第一だと思う
・「2 旧計画の総括」については、阻害要因をより具体的に出すことで市民の協力が得られやすくなるのでは

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第3章(2)本計画の特徴
○「原子力発電による温室効果ガスの削減を見込まない目標値を設定し」の部分はたいへんよい
・国の方ではベースロードなどと言っているが、市長ががんばって脱原発と言っているのは変えないでほしい
・脱原発依存は堅持を
・原発稼働を見込まない計画に拍手
・(賛同の「いいね」多数)

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第4章「1 目指すべき札幌の姿」
○「図6」について、イメージを具現化することによって市民の賛同を得られるようにしてほしい
・絵は大事だが、なんとなくで何がどうというのは分からないので、はっきりさせてほしい。コジェネも含まれると思うがどのあたりがそれにあたるのか
・屋上、壁面緑化をしてほしい
○住みたくなる美しい街にしてほしい。暮らしやすい街、住む人がそこで楽しく過ごせる、生活できることが第一、そこにいる人がどういう生活をし ていたら低炭素になっていくのか。そこに住んだらいいだろうな、と思えるようなまちだと取り組みとして進んでいくのだろう。どのような価値観でどのように 暮らすのかが重要だろうと思う。
・人口動態をどう考えるのか。
・コンパクトシティに関する言及、説明(用語など)がないが、どのように整理しているのか。2050年には人口動態をふまえると本当にこのような姿になるのか
・(解説)この絵はイメージしやすいよう、現在の札幌の取り組みを盛り込んだ、現在の札幌に近い状態の絵。まちづくりの計画ではないので、コン パクトシティという用語はあえて使っていないが、コンパクトシティとして機能集約して暮らしやすいまちにするという考え方に基づいている

第4章「2 低炭素社会の実現に向けて目指すべき社会像」
○《家庭》について、家庭だけでなく観光業のエコ化は柱として必要では。また、ターゲットとして観光客もあるのではないか
・500万トン削減とあるが、シナリオの限界による削減340万トンのうち210万トンを家庭部門から削減しようとしている。家庭部門に傾いた 施策になっておりバランスが悪い。民間の施設に対しての強化が見られない。そもそも札幌は観光が産業の柱としてあるため、ホテルやショッピングセンターな ど事業者に削減を求めるのは難しいと思うが、観光客にこそ求める、というのが札幌がこれから新しい2030年に描く、というのが新しくて共感を得られるの でないか
○《運輸》について、交通・公共交通や自転車を使いやすくしてほしい。(私は札幌市外に住んでいるので)何をするにも札幌に出てこないといけな い。地下鉄に乗ってしまえばいいが、そこまでが大変。その辺が少し楽になればいいのにと思う。周辺自治体のインフラなどを見込んだものを検討いただきたい
・自転車を活用できる街
・札幌市内だけではなく周辺自治体・札幌圏を見込んだものを検討する必要がある

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第4章「3 社会像の実現に向けた施策」
・「(1)社会増の実現に向けた施策推進の観点」はとてもよい視点と思う
○「(1)社会増の実現に向けた施策推進の観点」は重要だと思うが、具体的なビジョンが見える説明が欲しい。詳細版にどういうメリットがあるかは書いてあるがそこも概要版に出てるといい。一般的な世帯でどのくらい下がるのが見込めるのかの具体例があるとよい
・(解説)計画策定に合わせて、市民向け、事業者向けに取り組みと削減効果を示したパンフレットを作成する予定
・「日常生活のリスク低減」はもっと推していい
・「(2)目指すべき将来の姿」≪家庭≫の「高断熱・高気密住宅の普及」はライフスタイルなのか? ハード面ではないか
・集合住宅への熱供給(廃熱利用)
・公共交通にBDFなど

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「図9 札幌の温室効果ガス排出量の推移・旧目標との比較」
・中期目標を2020年から2030年に10年ずらしただけで大丈夫なのか?
・2012年比の数値も掲載しているのはわかりやすい

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・コンパクトシティは目指さないのか
・「生活に合わせた」とあるが、どのような価値観に基づく生活なのか
・電力排出係数の影響による削減量約238万t-CO2については、自分ではどうにもできないことの割合が結構大きいような感じがする

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「(2)中期目標の達成に向けた主な取組」
《家庭》
・「集合住宅に対する取組の検討」はどんなことが考えられるか気になる。これはそもそも民生部門か。ディベロッパーで業務部門のほうに入るのではないか
・「省エネ・再エネ機器の普及」一番メインの対策だが、取り組みがうすい感じがする。実現できるのか
・「生活にあわせた環境配慮行動・・・」この生活とは価値観に基づく生活なのか
・「家庭における太陽光発電の導入量」の実現は見込めるのか
・植物で冷暖房できないか
《産業・業務》
・「家庭」の「産業・業務」の目標削減量の差はなぜか?産業の方が大幅削減できそう(産
業部門6.7%、家庭部門37.7%、業務部門33.4%)
・民生業務部門の取組みが少ない(ホテル等)
《運輸》
・これから高齢者が増えても公共交通機関を中心に過ごせるような積極的な計画だとかっこいい
・運輸関係は市内移動とは限らない。どのような方策・連携が必要か考える必要があるのではないか
・SAPICAとKITAKAの機能の共用により公共交通利用促進策を
○公共交通利用を促進させるためにも、自動車以外の手段利用による目標値がほしい。市民が取り組みやすい部分であり、車を持っている人が減って いくなか、車に対する施策だけでなく、公共交通機関に対する取り組みについても、何らかの指標、何らかの目標値があるとよい。成果指標も満足度ではなく別 の指標がほしい
・なりゆきによる推移と区別して施策による個別削減目標を立てた方がよい。その方が説得力がある

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・《みどり》については、札幌市内のみに限る話でいいのか、市外の森林保全をどう見込むのか
・「みどりの活用」で「ペレットストーブの普及による木質バイオマスの活用推進」とあるが、ペレット以外の木材の活用方法はないのか

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「3 リーディングプロジェクト」
・民間施設の取組が欠けている。
・《家庭》で「市民向け省エネ推進事業/省エネ型ライフスタイルの実践」とあるが、継続していくにはモチベーションの持続が必要。モチベーション持続・アップのための方法はどうするのか
・家庭部門の施策に戦略が必要ではないか。現在の内容では弱い
・家で苗を育てる、植樹をすることも必要
○《エネルギー》の現在の重点施策は、都心エネルギーネットワーク推進事業など、都心中心。定山渓地区なら温泉熱利用、森林が多い南区なら木材 活用、大型倉庫が多い白石区大谷地地区ならコージェネレーションのネットワークなど、同じ札幌市内でも地域特性を生かした施策の視点がほしい。他市町村、 他府県への先進例にもなるのではないか

「4 取組推進の視点」
・人材育成の取組が述べられているが、前章までの取組とのつながりが見えにくい
・どうやって普及するのか

「(1)環境教育による意識醸成と人材育成」
○この計画を実現するには、環境教育による推進が重要。すごい計画だという感想を持ったが具体的にしていく手段が大切。計画が形になっていくために、市民の皆さんの意識がどう変わっていけばいいのか、計画浸透のために何をしていけばいいのか考えていきたい
○人材育成について、大学で学んだ人たちに、満足できる給与を払える施設・組織などの雇用先が北海道にはない。北海道や札幌市でちゃんとした給与をもらえる仕事を作ってほしい
・優れた人材が札幌に来て、大きな成果が出せるような仕組みが必要
・内容は壮大であるが、普及させていくのが大変。どうやって普及させていくのか。パンフレット作製も重要だが、私たち自身が連携して広めていく立場であることを認識しないといけない

「図12 さまざまな主体との連携による温暖化対策の推進」
○いろんな主体が連携して進めることが重要
○アジア、アフリカ、南米各国の留学生を対象にした環境教育も必要。欧米は日本より進んでいる国も多いが、こうした国はまだまだ遅れていると思 う。たとえば、環境活動への留学生の参加を促進するといった環境教育を行うことで、札幌市から世界に貢献できるだろう。札幌市の取組が先進事例として参考 になるとよい
・留学生に環境教育を行うことは、国際都市として情報発信にもなる。
・子ども向け、大人向けも必要
・札幌を訪れる観光客への発信も必要。北海道の魅力を増すことにもなる
・札幌を訪れる観光客に対する省エネ行動を促すべき

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「第6章 計画の進行管理」
・計画を実現させるには、本計画を浸透させる普及の方法が重要
・計画を市民に浸透させる計画も必要
・2050年に目標未達成の場合はどうするのか
・だれに、具体的に、何を減らしてほしいのか。もっとわかりやすく書けるといい。企業も一律ではない

「(1)進行管理の流れ」
○革新的な目標・計画だからこそ、年度単位で、新しいアイデアを生み出し続けられる体制づくりを。協議会、審議会ではない、会議体からバージョ ンアップした体制が必要。それでは5年、10年先に向けたアイデア出しは無理ではないかと思う。たとえば、責任と権限を持ったパートナーシップ組織のよう なものに権限を委譲するなど、革新的な目標と革新的な施策であるからこそ、新しいアイディアや協力を取り入れて行けるような仕組みをつくっていかないとい けない
○PDCAの「C(チェック)」に外部専門家や市民が参加するための具体的な仕組みが必要ではないか
・革新的な削減計画を進めるための人材育成が必要ではないか

「(2)成果目標の短期的目標」
○《家庭》「全世帯に対する高効率給湯機器設置の割合」の現状値が3%、2022年の短期的目標が82%。「全世帯に対する高効率暖房機器設置 の割合」の現状値が3%で、2022年の短期的目標が60%。「全世帯」対象にしているが、ほんとうに実現できるのか。劇的な目標に対する革新的な施策が よく見えない
○子どもや若者が関わる視点が必要
○自分には太陽光パネルは縁遠いし、省エネもできる範囲はしている。それ以外にできるのは公共交通利用だと思っている。だが、自転車を利用する には駐輪場がない、体力の限界がある、 駅の駅の間の地点に行きたくてもアクセスできないなどの不便がある。自転車と公共交通機関がうまく組み合わせられたらいい。徒歩が第一条件だと思うが、ポ ロクルなどレンタル自転車の取組もいい。徒歩と公共交通機関、自転車と公共交通機関、自転車と徒歩といった、多様な組み合わせによる体制づくりがあるとう れしい。ドイツのフライブルグのように「自転車にやさしい町!」をめざしてほしい
○《運輸》公共交通利用による削減目標値を、満足度以外で設定できないのか?一般市民が大きなお金や手間をかけずに関わりやすいのが公共交通。その目標値が満足度ではリアルな実感が持てず、取り組みづらい。この表現では目標値が達成できないと思う
・現在の若年層のクルマ所有数が減少していること、昔のようにクルマを持つことがステータスとなっていない現状は今後も進むと予想される。クルマの絶対数が減った場合、エコドライブ推進による目標値は達成できないのでは
・「公共交通に対する満足度」について市電をつなげる(ループ化)するほかの方法でも、利便性は向上するのか
・鉄道の高架橋下がサイクリングロードにして、冬でも自転車に乗れるようにする

以 上

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